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研究課題名
子宮頚部ヒトパピローマウイルス感染の遷延と癌の発生
共同研究者
氏名 | 所属 | 職名 |
---|---|---|
田久保海誉 | 東京都老人総合研究所老年病のゲノム解析研究チーム | チームリーダー |
下村七生貴 | 東京都老人総合研究所老年病のゲノム解析研究チーム | 研究員 |
小岩井英美 | 東京都老人医療センター病理部門 | 技師 |
新井冨生 | 東京都老人医療センター病理部門 | 医長 |
沢辺元司 | 東京都老人医療センター病理部門 | 部長 |
研究内容
ドイツ癌研究センターのハラルド・ツア・ハウゼンが子宮頚部癌の発生はヒトパピローマウイルス(HPV)が原因であることを解明し、2008年のノーベル医学賞を受賞した。しかし、HPVは若い頃に感染するはずで、20代の日本人女性の10%以上がHPV陽性といわれ、その後頻度は上昇しなしい。しかし感染者の全員が癌になるわけではない。高齢になるまでにHPVは洗い流されて陰性となっているのか不明であった。高齢者や超高齢者の解剖例からは、若い頃より低い頻度でHPV陽性であり、多くのHPV感染は遷延しないことがわかった。また、HPV陽性患者に上皮内癌を見いだした。100歳近い患者からHPV と上皮内癌を見出し、数十年にわたりHPV感染と、多分癌も潜伏していることがわかった。以上からHPV感染の自然史を明らかにした。