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病理解剖例を用いた共同研究事業一覧

研究課題名

総頚動脈と冠動脈の粥状硬化症の相関について

共同研究者

氏名 所属 職名
沢辺元司 東京都老人医療センター剖検病理科 部長
濱松晶彦 東京都監察医務院 医員
千田宏司 大田病院 副院長
原田和昌 東京都老人医療センター循環器科 部長
小澤利男 東京都老人医療センター 名誉院長
田中紀子 ハーバード大学公衆衛生大学院 客員研究員

研究内容

頚動脈エコー所見は一般に全身粥状硬化症の指標とされ,疫学調査では冠血管イベントの独立した危険因子である.我々は剖検例を用いて総頚動脈と冠動脈の粥状硬化症が本当に一致するか検討した.対象は60歳以上の連続剖検症例1,518例で,男女比は1.2:1,平均年齢は80歳.CC-AIとCSIは正の有意な相関を示し,単純相関係数は0.456であった.軽微な総頚動脈硬化症(CC-AI≦2)を示す689例中74例(11%)で高度冠動脈硬化症 (CSI≧12)を認め,80例(12%)で病理学的心筋梗塞を認めた.CC-AI≦2症例をCSI=12で2群に分けて比較したところ,CSI≧12群では血清コレステロール値,糖尿病・喫煙者の頻度が有意に高かった.総頚動脈粥状硬化症が軽くても,糖尿病,高脂血症,喫煙などの危険因子があれば,高度冠動脈粥状硬化症を少なからず合併していた.従って,頸動脈エコーで総頚動脈が正常であっても,動脈間の粥状硬化度の不一致から冠動脈リスクを低く見積もる可能性がある.

研究業績

# 論文名 リンク
1 Sawabe M, Hamamatsu A, Chida K, Arai T, Harada K, Ozawa T, Tanaka N. Elderly patients with minimal common carotid atherosclerosis not infrequently have severe coronary atherosclerosis and myocardial infarction. Circ J. 2008;72(12):1946-1952. 参照
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