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研究課題名
老人の癌と炎症関連遺伝子の一塩基多型に関する研究
共同研究者
氏名 | 所属 | 職名 |
---|---|---|
村松正明 | 東京医科歯科大学難治疾患研究所 | 教授 |
池田仁子 | 東京医科歯科大学難治疾患研究所 | 助教 |
研究内容
高齢者社会の進行に伴い、加齢と共に増加する癌はきわめて重要である。癌は、がん遺伝子やがん抑制遺伝子など、後天的な変異が蓄積するこにより発症することが言われている。一方で、癌の発症そのものを起こし易くする、あるいは起こし難くする先天的な遺伝子については、殆ど知られていない。老化と癌が緊密に関連していると考えられるが、この共通のメカニズムの一つとして、炎症性変化が挙げられる。例えば、老化に従って血清中の炎症性マーカーが増大することはよく知られており、慢性的な炎症が引き金となり癌が発症することも知られている。しかしながら、高齢者を対象とした研究はほとんどないことから、老人癌の発症に関連する遺伝子多型について検討した。本研究では高齢者連続剖検例を用いて、がん発症メカニズムに関連していると報告のある炎症関連遺伝子の中でも、特に日本人で高頻度にみられ、がんとの関連が示唆されている6遺伝子について、10種類の一塩基多型について解析を行った。その結果、LTA rs1041981及びrs2229094多型とがん発症の有無との関連を見いだした[#1]。