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研究課題名
加齢と癌の関係に関する研究ー加齢により短縮するテロメア長の解析
共同研究者
氏名 | 所属 | 職名 |
---|---|---|
田久保海誉 | 東京都老人総合研究所老年病のゲノム解析研究チーム | チームリーダー |
相田順子 | 東京都老人総合研究所老年病のゲノム解析研究チーム | 研究員 |
仲村賢一 | 東京都老人総合研究所老年病のゲノム解析研究チーム | 研究員 |
下村七生貴 | 東京都老人総合研究所老年病のゲノム解析研究チーム | 研究助手 |
石川直 | 東京都老人総合研究所老年病のゲノム解析研究チーム | 研究員 |
新井冨生 | 東京都老人医療センター臨床病理科 | 医長 |
沢辺元司 | 東京都老人医療センター臨床病理科 | 部長 |
研究内容
テロメアは染色体末端に存在する特殊なDNA配列で、染色体の安定性に関与している。現在まで、当グループでは東京都老人医療センターと共同して、剖検例の組織を用いてヒトの諸臓器におけるテロメア長の解析を行なってきた。その結果、加齢により脳と心臓以外の諸臓器においてテロメアが短縮することを今までに報告してきた(#2,4)。この研究成果は他の雑誌にも多くの行を割いて紹介され高い外部評価を得ている。また、組織切片上でQ-FISH法を行なうことにより組織内の詳細なテロメア長を計測する方法を開発し報告してきた(#1,3)。また現在、癌は高齢者に多く発生することから、テロメア長短縮が染色体不安定性を惹起することと関連すると考え、発癌のごく初期にテロメア長の短縮が生じていることを予想し、癌と癌の発生母地、および正常組織のテロメア長を測定し、比較する研究を行なっている。癌の手術で得られた組織では既に癌になりやすい状態になっていると考えられることから、剖検により得られる全く正常の組織が必須である。現在までに癌の発生母地におけるテロメア長短縮を示唆する結果が得られ、発表の準備中である。