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研究課題名
食道上皮におけるアルコールによるテロメア短縮について -Q-FISH法による解析
共同研究者
氏名 | 所属 | 職名 |
---|---|---|
相田順子 | 東京都健康長寿医療センター研究所老年病理学研究チーム | 研究員 |
横山 顕 | 国立病院機構久里浜アルコール症センター臨床研究部 | 研究部長 |
仲村賢一 | 東京都健康長寿医療センター研究所老年病理学研究チーム | 研究員 |
泉山七生貴 | 東京都健康長寿医療センター研究所老年病理学研究チーム | 研究員 |
石川 直 | 東京都健康長寿医療センター研究所老年病理学研究チーム | 研究員 |
田久保海誉 | 東京都健康長寿医療センター研究所老年病理学研究チーム | 研究部長 |
沢辺元司 | 東京都健康長寿医療センター高齢者バイオリソースセンター | 部長 |
新井冨生 | 東京都健康長寿医療センター病理診断科 | 部長 |
研究内容
口腔および食道の扁平上皮内癌は、癌を持たない正常対照群に比してテロメアの短縮した染色体不安定性の高い背景上皮に発生することをこれまでの研究で証明してきた。非癌正常の上皮に比して過度にテロメアを短縮する要素を解明するため、食道扁平上皮癌の多発しやすいアルコール症患者の食道生検検体を用いて、テロメア短縮におけるアルコールの関与を証明しようと考えた。アルコール症患者の食道生検組織で、明らかな異型や癌のない組織切片を用いてQ-FISH法によるテロメア長測定を行なった。久里浜アルコール症センターにおいて生検されたアルコール症患者食道ヨード不染帯からの生検組織を用いてQ-FISH法によりテロメア長を測定し、健康長寿医療センター解剖例で上部消化管・頭頚部に非癌の症例と比較した。その結果、アルコール症患者からの食道上皮のテロメアは対照症例に比して有意に短縮していた。従って、アルコールは食道上皮のテロメアを短縮することが証明された。