HOME > 病理解剖例を用いた共同研究事業一覧 > サーファクタントプロテインDと肺気腫の関連:遺伝子関連解析による検討

病理解剖例を用いた共同研究事業一覧

研究課題名

サーファクタントプロテインDと肺気腫の関連:遺伝子関連解析による検討

研究内容

サーファクタント蛋白SFTPDはノックアウトマウスで肺気腫を形成する。SFTPD遺伝子の一塩基多型(SNP)とヒト肺気腫との関連を検討した。
2つの母集団を用いた。母集団Aは270名の喫煙者で、188名のCOPD症例を含む。母集団Bは1131名の連続剖検例で、160名の肺気腫症例を含む。母集団Aでは、SFTPDのSNPの遺伝子型と、胸部CTから算出したlow-attenuation area (LAA%)にて示される肺気腫の重症度との関連を検討した。母集団Bにおいても、遺伝子型と肺気腫の関連を検討した。
母集団Aにおいて、SNP rs721917のCアレルの数が増加すると、上肺野における%LAA、及び全肺野の%LAAが有意に高値を示した(p = 1.1 × 10-5、及びp = 1.0 × 10-4)。また、rs721917のCアレルの数が増加すると、SFTPDの血清濃度が有意に低下した(p = 7 × 10-11)。C/C (rs721917/rs10887199) のハプロタイプは、両母集団において肺気腫との関連を示した。
SNP rs721917のCアレルを持つ症例は、SFTPDの血清濃度が低く、肺気腫になりやすい。SFTPDが肺気腫形成に防御的に作用すると示唆された。

研究業績

# 論文名 リンク
1 Ishii T, Hagiwara K, Kamio K, Ikeda S, Arai T, Mieno MN, Kumasaka T, Muramatsu M, Sawabe M, Gemma A, Kida K Involvement of surfactant protein D in emphysema revealed by genetic association study. Eur J Hum Genet 20(2):230-235,2012 参照
  • ホーム
  • 研究の紹介
  • 倫理的配慮及び関連法規
  • 病理解剖を承諾されたご遺族の皆様へ
  • 病理解剖例の特徴
  • 共同研究を希望される研究者の方へ
  • 共同研究事業運用要綱
  • お問い合わせ
  • このホームページについて
  • リンク

パンフレットPDF ダウンロード

  • 東京都健康長寿医療センター
  • 高齢者ブレインバンク