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病理解剖例を用いた共同研究事業一覧

研究課題名

下垂体テロメア長の in vivo 動態の解析

共同研究者

氏名 所属 職名
田久保海誉 東京都健康長寿医療センター研究所老年病理学 部長
石川 直 東京都健康長寿医療センター研究所老年病理学 研究員
仲村賢一 東京都健康長寿医療センター研究所老年病理学 研究員
下村ー泉山 七生貴 東京都健康長寿医療センター研究所老年病理学 研究員
相田順子 東京都健康長寿医療センター研究所老年病理学 研究員
沢辺元司 東京都健康長寿医療センター高齢者バイオリソースセンター 部長
新井冨生 東京都健康長寿医療センター病理診断科 部長
岸本宏志 埼玉県立小児医療センター 病理科 部長
藤原睦憲 日本赤十字社医療センター・検査部 部長

研究内容

病理解剖された患者(0〜100歳)から得られた下垂体のテロメア長をサザンブロット法で検出し、加齢に伴うテロメアの変化を解析した結果、下垂体のテロメアは新生児期では諸臓器中で最も長く、年間短縮率も他臓器と比べ(大脳灰白質を除き)最も小さいことが明らかとなった。つまり、他の臓器と比較して生涯を通じて最も長いテロメアを持っていた。テロメアの短縮は新生児期から60歳までの間に起こりその後は有意な減少は起こらないこと(むしろ高齢者ほど長くなる傾向を示す)、細胞の増殖期のマーカーであるKi-67が陽性である細胞は、胎児期から新生児期にかぎられることも判明した。以上から、下垂体でのテロメア短縮は生後早期のうちに起こることが推測され、個体特有のテロメア長の指標として有用であると考えられた。また、細胞内や染色体内で差の大きなテロメアの長さの代表値について検討し、サザンブロット法によるシグナル強度のピーク値と中央値(median)がよく相関すること、平均値(mean)は、ほぼ一定の幅で中央値(median)より大となるため、両者それぞれから求めた年間短縮率はほぼ同じになることを明らかにした。これらのデータはこれ迄に世界中の研究室で蓄積されたテロメア長データを比較するうえで重要な基礎データを提供する。

研究業績

# 論文名 リンク
1 Ishikawa N, Nakamura KI, Izumiyama N, Aida J, Sawabe M, Arai T, Kishimoto H, Fujiwara M, Ishii A, Takubo K Telomere length dynamics in the human pituitary gland: robust preservation throughout adult life to centenarian age. Age 34(4):795-804, 2012 参照
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